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中国で食べられている昆虫

中国で食べられている昆虫

油で揚げた竹虫

俗に「中国人は足の四本あるものは机以外全て食べる」と言われているように、中華料理では様々なものを食材にしてしまうほどの研鑽を積み重ねています。

そして、六本の足がある昆虫もまた、食材の例外ではないのです。中華料理では、昆虫をメインの食材に据えたメニューが幾つも存在するほど、昆虫食は馴染みのあるものとなっています。


  

中華料理における昆虫食

中華料理において、昆虫は一般的な食材の一つとして扱われています。料理文化が発展するための原動力である「食べたことの無いものを美味しく食べたい」という気持ちが、中華料理においては一際強く表れているとも言えます。

その気持ちの強さが四千年に渡る中華料理の歴史と、食材や調理法の開拓を推し進めてきたのです。そのため中華料理は、昆虫を食材に使ったメニューの数では他の料理を遥かに凌ぐものとなっているのです。

中華料理での昆虫の調理法

中華料理は、下ごしらえに時間を掛けて火力を活かした調理を短時間で行うのが最大の特色となっています。下ごしらえが重要になってくる昆虫食においては、この中華料理の特色が最大限に効果を発揮するのです。

たとえば、昆虫の腸内に残る排泄物や体内の寄生虫は昆虫の味を悪くするだけでなく健康上のリスクを発生させてしまいます。これらは、下ごしらえの段階において除去・無害化することが出来ます。中華料理の下ごしらえの巧さと入念さは、昆虫食においても理に適った工程なのです。

昆虫食が盛んなのは?

中国の中でも、特に雲南省は昆虫食が盛んな地方として知られています。蛾の仲間であるタケツトガの幼虫を「竹虫」として食用にし、セミやスズメバチなどを揚げて食するなど昆虫食においては最先端を行っていると言えるほどです。

雲南省は中国の中でも多湿な気候を持つ地方として知られています。その為、汗を掻く為に辛く味付けされた四川料理が発達したと言う経緯を持っています。

昆虫食は、弱った身体の栄養補給源としても優れた効果を発揮することが知られています。つまり、雲南省での昆虫食の発達は四川料理の発展の片輪でもあったのです。

もう一つの中華料理・台湾料理

台湾は、中国との複雑な関係を持つ国として知られています。現在の中華人民共和国の成立や文化大革命などで、中国から流出した民衆や文化などを受け入れたことで中国とは別の存在感を示しています。

特に、料理においては中国本土から渡ってきた料理人が各地方の料理を伝えたことによって、伝統を受け継ぎながら独自の発達を遂げた台湾料理として高い人気を誇っています。また、台湾に程近い広東省の影響も強く受けていて広東省の昆虫食を取り込んだ料理なども見られます。

 

中国・台湾における昆虫食

では、中国や台湾ではどのような昆虫が料理となっているのでしょうか。

セミ

セミは中国においてよく食される昆虫の一つです。土に潜る前の幼虫や羽化したあとの成虫が昆虫食の対象になります。

セミの幼虫の調理法

セミの幼虫は、成虫になるための栄養分を蓄えるためアミノ酸を木から吸い上げています。なので、他の昆虫と違って排泄を行わないことが良く知られています。そのためセミの幼虫の場合は、他の昆虫のような腸内洗浄を行う必要がありません。

セミの幼虫を調理する際には、素早く火を通すのが肝心です。セミの幼虫は素揚げして塩を振って食べるのが一般的ですが、串焼きや串カツ仕立てにしてみるのも良いでしょう。幼虫の外骨格は、火を通すと丸ごと食べられるようになります。

セミの成虫の調理法

セミの成虫は、羽化してからわずか7日という短い生涯を、子孫を残すことのみに費やします。私たち人間は、その7日間でセミの成虫を捕らえて調理していくのです。

セミの成虫は、幼虫の時よりも外骨格が固いのですが羽化直後のものは非常に柔らかくなっています。なので、羽化するために地上に出てきた幼虫を捕らえて煮付けにする地方もあります。昆虫は総じて淡白な味わいなので、塩や醤油などで強めに味付けするのが基本なのです。

セミの成虫の場合は、絶食させて食べられる部分が無い羽根を取ってから調理します。一度さっと熱湯で茹でると寄生虫の心配も少なくなります。下処理を済ませたセミは、油でカラッと揚げて塩を振って食べるのがセミ本来の味が楽しめます。

様々な種類の蛾が居ますが、中国などで食用にされているのはカイコガ・スズメガ・ツトガ・メイガなどです。日本でもカイコガの幼虫である蚕は食用にされていますが、スズメガは中国でしか食用にされていないものなのです。

蚕の蛹は、日本では醤油で煮付けて佃煮にするのが一般的ですが、中国では油で素揚げして食べるのが一般的です。スズメガは大豆畑で獲れる幼虫を「大豆蛾」と呼んでいます。

スズメガは栄養価が高いので動物の飼料としても用いられていて、将来的な食料資源として注目を浴びています。ツトガ・メイガの中でも特に、竹の中に生息するタケツトガは高級食材として人気が高くなっています。

蛾の調理法

蛾類は主に幼虫か蛹を食用にします。蛾の成虫は羽が身体の半分近くを占める上に、飛行するために幼虫の頃よりも重量が小さくなっているからです。

幼虫は調理前に絶食させて腸内洗浄するのを忘れないようにします。蛹も幼虫も、一度軽く茹でるか炒めるかして火を通しておくと調理時間が短縮できる上に寄生虫の心配もなくなります。

基本的に昆虫は脂肪分が少ないので、油で揚げると脂肪分のコクをカバーできて味が良くなるのですが、冷めると油分がしつこく感じられるようになるのが弱点と言えます。幼虫は塩水に漬けて下味をつけた後で素揚げすると、味付けの必要がありません。

コオロギ

日本でのコオロギは、アロワナなどの大型熱帯魚や爬虫類を育てるための餌としての役目を持っていますが、中国では日本とは違った風習の中で利用されています。それが「闘蟋(とうしつ)」です。

闘犬や闘鶏などと同じく、自分の手で大きく育てたコオロギを持ち寄り戦わせあうのです。このため、中国ではコオロギの養殖が盛んなので食用昆虫としても高い人気を持っているのです。

コオロギの調理法

食用にするコオロギは、最低でも5cm以上ある大型のものを選んで使います。コオロギは雑食性なので、下準備の際には入念に腸内洗浄を行っておきます。足が付いていると喉を通りづらいことがあるので、取っておくのが無難でしょう。

コオロギは、油で素揚げして塩で味付けするのが最もシンプルで味を楽しめると言われています。サラダに入れてサクサクした食感を楽しんだり、スープのクルトン代わりにしてみたりと様々な利用法があります。


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